1. プランの定義(理念)

 さくらプランは、生徒一人ひとりの将来の人生設計に関わる職業観・学問観や進路達成のための意欲・力を養うとともに、知・徳・体の調和のとれたたくましく生き抜く力の育成をめざしておこなう組織的・系統的な進路指導計画です。

2. プラン発足の背景と経過

 平成8年度に中央教育審議会答申で「生きる力」が提示されました。これを念頭におきながら、本校では平成10年度より「生きる力」を育む進路指導の在り方を模索することにしました。従来の進路指導を点検し、生徒の主体性を生かす3年間を見通した学習の在り方を考えていったのです。進路指導に関する職員間の共通理解を深めながら、平成11年度より1年生を対象に、「武高さくらプラン」として開始しました。そして、次年度は2年生と1年生を対象にするといったように学年進行というかたちで進めていきました。新たに実施していく活動も多く、試行錯誤の繰り返しでしたが、次第にかたちが整いつつあります。今年の3月は、さくらプランの第一期生が本校を旅立つことになります。
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3. プランの概要

 さくらプランを「自己理解」、「職業研究」、「学問研究」、「国際理解」、「自己発信」の5つの領域(柱)で構成させ、それぞれにねらいや活動内容を明確にしました。

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(1) 自己理解
 自分が一体どのような存在なのか、どのような存在であろうとしているのか、そして将来どのような方向に進んだらよいかを考え、学習する。
【活動】「将来の私」・「10年後の自分」等の作文  心理テスト  文理適性検査  文理コース分け  系統班分け 

(2) 職業研究
 自己理解を深めながら、自分に適した職業は何か、自分の興味・関心に合う職業は何かを学習する。
【活動】進路情報誌を利用した職業学習  職業人による講演会  職場見学  専門学校見学  系統班別職業学習会

(3) 学問研究  自分が希望する職種に就くためには大学においてどのような学部学科を選択したらよいか、また、それぞれの学部学科でどのような研究がなされているかを学習する。
【活動】進路情報誌を利用した学部学科研究  教育実習生による大学説明会  「進路の指針」を利用した進路学習  オープンキャンパス  大学見学  系統班別学問学習会  大学入試研究

(4) 国際理解
 21世紀を迎えて国際交流の重要性が一層増すことから、異文化に接する機会に多く触れることで異文化に対する理解を深めるともに、日本文化への新たな認識を深めていく。
【活動】国際交流体験会(青年海外協力隊の経験者による講演会・外国人留学生とのクラス交流会) 中国修学旅行  中国事情講演会  中国語講座  修学旅行事前準備一般

(5) 自己発信
 教科活動やさくらプランなどで習得した知識を基礎として、文献や新聞研究、インターネット検索技術などの情報リテラシーの育成を図りながら、論理的思考力や表現力などの自己発信能力を養う。
【活動】小論文学習  ディベート

4. プランの流れ

 プランの目的は、生徒一人ひとりに職業観・学問観を育ませ、進路達成のための意欲や力をつけさせることにあります。1年では「しる」、2年では「みる」、3年では「きめる」を目標に展開させていきます。もちろん、進んだり戻ったりのスパイラル的な展開になりますが、おおよそ目標に沿った内容を学年ごとに配置しています。
 また同時に、これらの活動の成果を生かすかたちで「つたえる」力の育成を図ります。
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5. 「総合的な学習の時間」とさくらプラン

ア.「総合的な学習の時間」への着手
 平成15年度からはじまる「総合的な学習の時間」について、新しい高等学校学習指導要領の「総則」に、その趣旨やねらいが定められています。そのなかに示された「自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動」(総則第4款の3のウ)という活動例は、本校が推進しているさくらプランと一致するものでした。ここに、さくらプランのなかから「総合的な学習の時間」を生み出せることを確信しました。
 時間は前後しますが、本校は佐賀県教育委員会の研究指定(平成12年度・13年度)を受けました。「武高さくらプラン」を始めていたというのが指定された理由で、このプランから生み出せるのではないかという期待がありました。そして、本校の研究テーマを「普通科高校における『総合的な学習の時間』の在り方」としました。新高等学校学習指導要領が提示された平成11年3月という時期は、研究指定を引き受けた頃にあたり、さきほどの「確信」とはこの頃のことです。
 こういった事情から、学習指導要領を手掛かりとして「総合的な学習の時間」の在り方を検討することにしたのですが、同時に、始めたばかりのさくらプランを「総合的な学習の時間」を生み出しやすいかたちに整備していく必要性を感じるようになりました。
 そこで、さくらプランを整備していくにあたり、職業観や学問観の育成を図るという従来の目標に加えて、「横断的・総合的な課題についての学習活動」(総則第4款の3のア)や「知識や技能の深化、総合化を図る学習活動」(総則第4款の3のイ)を複眼的に加味していく方向をとっていくことにしました。こうして、さくらプランを発展させるかたちで、問題解決的な学習形態で各教科・科目で習得した成果も生かせるような学習を位置付けていくことにしたのです。
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イ.「自己発信」と5つの領域の設定
 本校では、知の総合化を図る有効な活動として小論文学習に注目しました。小論文は論理的思考力を判断する試験の一方法として考え出されたものですが、その本質が「問題点を指摘し、その問題解決について考察すること」にありますから、学習指導要領に掲げる「総合的な学習の時間」の趣旨に合致します。
 そこで、小論文学習で培われる論理的思考力や表現力などを「自己発信力」と規定し、これまでさくらプランとして実施してきた活動も整理・分類していくことにしました。このような過程を経て、1ページに示したような「自己理解」、「職業研究」、「学問研究」、「国際理解」、「自己発信」の5つの領域が確定していったのです。そして、「自己発信」としてディベートも加え、「総合的な学習の時間」はさくらプランの「自己発信」を中心におこなっていくことにしました。
 したがって、さくらプランと「総合的な学習の時間」の関係は、下の図のようになります。イメージとしては、自己理解・学問研究・職業研究・国際理解の諸活動が相互に有機的に結びつきながら、円の中心に位置する自己発信に向けてそれらの成果が生かされていく、ということになります。本校では「総合的な学習の時間」を各学年に1単位ずつ振り分けていますから、年間35時間分としての「総合的な学習の時間」は、自己理解・学問研究・職業研究・国際理解の一部にまたがって、自己発信を中心にカウントしていくことになります。

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