校長挨拶
                       
平成24.4.15 入学式 式辞より  校長 田中 寿                                                  

桜の花吹雪が舞い、本校へ向かう歩道を色鮮やかなものへと一変させた桜の木々には春の息吹を感じさせる青葉が茂りつつあります。春色麗しい本日ここに、振興会会長 川崎弘巳様、同窓会会長 藤山法道様をはじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、また多数の保護者やご家族の皆様のご出席をいただき、平成24年度佐賀県立佐賀北高等学校通信制の入学式を挙行できますことを心から喜び、厚く御礼申しあげます。

 ただいま入学を許可した183名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校は昭和23年に佐賀県立佐賀高等学校の設置とともに発足し、昭和38年に佐賀高等学校が三校に分離する際に佐賀北高等学校とともに新しくスタートした、64年の歴史を持つ県内唯一の通信制高校です。幅広い年齢層の生徒が集い、制服はなく思い思いの服装で登校し学ぶ学校ですが、本校に入学し学ぼうと思った動機は互いに共通する点があるのではないかと思います。中でも高校卒業の資格を取得したいとの思いから大きな一歩を歩み始めた人がこの新入生の中にも数多くいると思います。皆さんにとってこの一歩は挑戦にほかなりません。これまでの自分を変えようと自らが挑んだ大きな一歩です。

挑戦とは「自分の能力をより高めること」だと考えます。今の自分にとどまることなく、好き嫌い、得意不得意に関係なく、自らの可能性を信じて挑戦していただきたいと思います。自分が好きなことだけに時間を費やしていては、さらなる成長は望めません。嫌いなことや不得意なことに取り組み、自分が変われば結果も変わると信じて学校生活を送ってください。まずは、「自分はできる」と信じることから始まります。オリンピック水泳競技金メダリストの田口信教さんは「簡単だ!できる!そう思えるか思えないかで人生はまるっきり変わる。」と或る対談の席で語っています。彼は水泳の競技会で勝てない時に「どうしたら勝てますか」とコーチに尋ねました。その時コーチは「今の記録を数秒縮めて、あたなが勝てなかった選手の記録よりも速く泳げるようになりなさい」と答えたのだそうです。「なんだ、簡単だ。できる」と思ったその瞬間から彼の人生は変わりました。「自分には出来そうもない」とか「自分には無理だ」と決めつけ、何ら行動をおこさないのであれば、結果が変わることはあり得ません。大きな一歩を踏み出した皆さんが志半ばであきらめることなく、目標達成されることを期待しております。

話は変わりますが、昨年3月11日の東日本大震災から1年1カ月が経過した現在、被災地復興は遅々として進まない状況です。戦後奇跡の復興を成し遂げた日本は今戦後最大の国難に直面しています。一瞬にして大切な家族や友人、さらには家や仕事等を失った方の中には絶望と不安の中で生活している人もおられるかと思います。そんな厳しい状況の中、ひたすら被災地の復興を信じ、被災者が元気になることを念じてセンバツ高校野球大会の開会式で選手宣誓した高校生がいました。この震災で10,000人以上の犠牲者を出した宮城県から出場した石巻工業高校野球部の阿部翔人主将がその人です。甲子園球場に響き渡る大きな声で彼が宣誓した「人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しく悲しいことです。しかし、日本が一つになり、この苦難を乗り越えることができれば、その先に大きな幸せが待っていると信じています。」の一節は日本中の人々の心に響くものでした。閉塞感に覆われた将来の中にも一途の光を見出し、震災前のような故郷の再興を宣言する若者に大人は強い活力を感じました。厳しい状況の中で彼らが踏み出す一歩も皆さんが本校で学ぶことを選び踏み出した一歩も同じ一歩です。共に可能性を信じ歩みだした一歩であり、決して途中であきらめることなくゴールに向かっていただきたいと思います。

 最後になりましたが、保護者やご家族の皆様にお祝い申しあげます。私ども教職員は、新入生の皆さんが、本校を卒業できますように全力を尽くす所存です。皆様におかれましても、新入生の「夢実現」のため、学校の教育方針をご理解いただき、ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げまして、式辞といたします。