本書の紹介
大学の理論と学校の実践の融合
大学の理論

 本著の主たる概念は「開発的生徒指導論」であり、これを学校マネジメントの中核に据え、学校内外の教育関係者全員で取り組んだ典型的事例が佐賀市立金泉中学校である。
 本著では、これまでの残余部分となった生徒指導論を「潜在的カリキュラム」(hidden curriculum)と把握し、新しいタイプのカリキュラムマネジメントを論じている。
学校の実践

 学校目標に一丸となって向かったいった姿を「校長のリーダーシップ」「開発的生徒指導」「異世代交流」「黄金の一週間」の4点で表した。
 学校が落ち着いた今もなお、前進し続ける勢いが止む気配がない。
 職員と生徒全員が立ち上がり、「出番」→「役割」→「承認」のサイクルが回り続け、地域応援団による開かれた学校づくりが展開されている。
 この状態をつくった金泉中学校の学校経営が、今、明かされる。

文部科学省教科調査官 森嶋 昭伸     「中等教育資料846 掲載文から」
 優れた教育実践である。
 教職員、生徒をはじめ学校に集う様々な人の善意と熱意、創意に満ちている。
 本文中に綴られた言葉から印象に残ったものを上げてみる。
 「元気あふれる学校づくり」「地域応援団による開かれた学校づくり」「学校目標の具現化」「職員チームづくり」「生徒に出番を与える」「本校なりの『開発的生徒指導』」「挨拶運動」「説明責任」「子育て合同会」「本校独自の異世代交流」「黄金の一週間」等々
 この中には、多くの学校が標榜する教育理念、教育活動もある。だが、そのどれもが、借り物でない本物の迫力にあふれている。それは、学校長を始め全教職員が生徒の中に飛び込み保護者や地域の人々と共に、学校再生と新たな学校づくりに真正面から取り組んできたからであろう。
 開かれた市政と誠実な取り組みが、学校への信頼を高め、人々の出会いを豊かにしている。その出会いこそ、より広い地平から自己、人間、社会を発見していく生徒の学びに結びつく。
 金泉中学校の実践を励みに各学校が教育の力に改めて自信を持ち、歩んでほしい。