本校は、旧制中学校創立から90年を超える歳月を通して、県内有数の進学校として、また、地域に愛され、信頼される高等学校として、確かな歴史を刻んでまいりました。飾り気のない純朴な生徒が多く、学校生活において文武両道にわたり心身ともに鍛錬し、社会に貢献できる人材として巣立ってくれることを期待しています。その思いから、私は「伝統の継承、未来への創造」をスローガンとして掲げ、凛とした伝統ある校風を継承しながら、新しい時代にふさわしい教育を創造していきたいと考えています。
申すまでもなく、日本は今、津波により多くの犠牲をもたらした東日本大震災からの復興が大きな課題となっています。さらに、少子高齢化が進む中で現在の社会保障制度が将来にわたって維持できるか、人・モノ・情報が国を越えて行き来するボーダーレスの状況で国際的大競争(メガコンペティション)にどう対応するか、原子力に代わる次世代エネルギーの開発は可能か、といった様々な課題を抱えています。それ故に、これからの若者は、今よりもっと厳しい時代を担う存在として、困難に立ち向かう精神、時代の変化に対応できる知識や技能、思考力や判断力を身につけることが求められていきます。もちろん、効率的にICTを活用する力や、国際化の中で活かせる英会話能力もさらに必要となってきます。
しかし、そういった個々人の資質を高めていくこととともに、忘れてはならないのは、社会は個人の集まりであり、時代は人間同士の関わりによって創られていくということです。今日のように、様々なことが効率化され、利便性ばかりが求められる風潮にあっても、人それぞれが、健やかな心と体を持って、多くの人との絆を大切にしていくことが、社会を形成する基盤にあると思っています。
私は、このような視座を以て、三養基高校の教育を考えています。生徒たちに身につけて欲しいのは次の三つです。それに基づいて、学校経営ビジョンや本年度の教育目標を定め、様々な教育活動を展開していきたいと考えています。
○ 自らの進路を実現し、これからの社会の変化にも対応できる学力
○ 自らどのように生きるか、すなわち、社会にどのように貢献するかという視点
○ 他者を思いやり、人と人との絆を大切にして社会を築いていこうとする姿勢
なお、本年度から普通教室棟の改修工事が始まり、年度途中から暫くの間、生徒たちはプレハブの教室で学ぶことになります。不便な面も生じてくるでしょうが、真摯に学ぶ心と熱意ある指導があれば、教育の根幹が揺れることはないと思っています。新しい校舎は、中庭とも一体化した、ゆとりある、夢溢れる空間になるはずです。
最後になりましたが、本校同窓会である養基同窓会、並びにPTA各位に対し、今後とも、本校教育に対する尚一層の御支援・御協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
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